博士課程に進学して良かったこと5つ!!

博士課程

はじめに

前回は博士課程に進学して後悔したことについて記事にしました。

今回は博士課程に進学して良かったことについて記事にしたいと思います。

 

世の中の0.01%の人しか経験できないことが経験できる

この部分が私的には最もお勧めするポイントです。

・博士号取得者は少ない
現状、日本において博士号取得者の割合は、人口100万人あたり131人(2008年のデータ)とされており、0.013%の人しか博士号を持っていないということになります。日本における最強・最難関の資格である医師でも人口100万人当たり2500人程度ですので、いかに貴重な属性を持てるのかがわかると思います。

・博士号取得だけで希少な人材
私の好きな理論で、藤原和博氏が提唱する「100万人に1人の存在になる方法」があります。

この理論は、一つの分野に1万時間(5-10年)費やし、世の中における「1/100」の人材になり、その次の1万時間でもうひとつの「1/100」になり、さらに1万時間かけて「1/100」の人材になるとします。

そうなると「1/100」×「1/100」×「1/100」=「1/1,000,000」の人材になれるという考え方です。

100万人に一人の存在になる方法

そういった側面から博士課程を見てみると、博士号を取得した段階ですでに「1/10,000」の人材になれることがわかります。

下図に示した通り、博士号を取得した時点で、もう「1/10,000」の人材になります。さらに博士号取得後に何かの分野で「1/100」の人材になったとすると、「1/1,000,000」になり、100万に1人しかいないとても貴重な人材になることができます。

博士号取得時点ですでに1万人に1人の存在

・今後はこのような尖った能力を持った人材が求められる?

「博士号取得者は能力が尖っていて扱いにくい」という印象を世の中は持っていると思います。

科学技術や学術が進歩するにつれて、世の中の複雑化や多様性が進んでくると思いますが、その中で、ピンポイントで複雑な需要に対応できるのは、この尖った能力を持っている人材になるのだと思います。これまでの社会が求めていた、オールマイティな人材というのは、今後は不要になってくるのではないでしょうか?

普通のレールから外れるという経験

先ほど述べた話と関連しますが、博士課程に進学するというのは「普通」ではありません。

普通ではないため、セオリーも常識も通用しません。常に自分で考え、自分なりのロジックで進んでいかなければなりません。大変なことも多いかもしれません。大学を出て、就職して定年まで働くという普通の枠組みから外れるというのは、勇気のいることかもしれません。

ですが、一度、普通から外れることで、その後の選択肢が驚くほど広がります。その中で自然とできてくることが、「やりたくないことはやらない」ということです。

多くの選択肢の中から何を選ぶか?と言われたら、どんな人でもやりたいことをやりますよね? 

普通のレールから外れることで、自由な選択がとりやすくなる

私の場合は、博士号取得後に働かなければならないと思い、とにかく働ける場所を探しました。

まだこのころは普通の枠組みに踏みとどまっていたいと思っていました。

しかし、就職先ではまさに「やりたくないこと」の連続でした。そこで、いったん普通の枠組みから外れようと思い、会社を辞め、ポスドクになりました。そこからはもう自分の思うように選択できているのかなと思います。

ポスドクを数年経験して、もうアカデミックには満足して、世の中により役立つ仕事がしたいと思い、製薬企業に転職することもできました。

あおもり
あおもり

当時も今も大変ですが、振り返ってみるとこんな感じだったのではないかと思っています。

すべて自分の裁量で行動できる

博士課程の学生は、基本的に自信をマネジメントしてくれる上司がいません。そのため、自分の研究スタイルを自分で確立することができます。

午前中の頭が冴えているときに考え事をして、研究計画を立てたり、夜になってテンションが上がってきたときにがっつり実験をしたり、など、自分に合った仕事のスタイルを作り上げることが重要になります。


社会人になると、顧客との打ち合わせ、内部の打合せなど、かなり細かくスケジュールが決められて、自分の仕事に割ける時間が限られてしまします。そのため、「個々の部分はもうちょっとブラッシュアップできると思うんだけど、時間がないし、ここまでで作業を完了してしまおう」ということになり、自分が真に納得できるアウトプットを出すことはできません。

あおもり
あおもり

凝り性や完ぺき主義な方にはもってこいの仕事スタイルではないでしょうか?

余計な雑務がほとんどない

博士課程の学生には、社会人にあるような余計な雑務がほとんどありません。持てる時間のすべてを研究にささげることができます。

ポスドクや助教などになってくると、科研費の申請書を書いたり、学生の指導や講義をしたりするなどで、結構な時間を食われます。

博士課程は研究だけに没頭できる貴重な期間であると私は思います。

やりたい研究ができる

これはもう言うまでもないことですね。当たり前すぎるので、5番目に持ってきました。

博士課程に進む場合は多くが修士課程から継続した研究を行うことになります。そうなると5年間も同一分野の研究に勤しむことになります。

やはり、5年間も同じ分野を研究しているとそれなりにその分野には精通し、一人前といっても差し支えのない程度の経験を積むことができます。

学部では約1年、修士では約2年の研究期間がありますが、その中であっても就活に時間を取られ、どっぷり研究に明け暮れることはできません。

博士号取得者と比較すると、どうしても「研究の深さ」に違いが出てきます。

あおもり
あおもり

「こんな研究がやってみたい!」「この現象の心理にたどり着きたい!」と思うことがあるのであれば、博士課程に進学することを検討してもよいのではないでしょうか?

最後に

今回は博士課程に進学して良かったこと5つ!!ということで、記事にしてみました。

博士課程に進学するかどうか悩んでいる学生さんがいましたら、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

ご覧いただきましてありがとうございました。

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